ー詩を書いてみる。ー
ーブルーモーメンツー /2020年6月18日
時間は止まる。無意味になる。目の前の光景は、永遠を夢見ながら、その永遠を、この一瞬に閉じ込める。
その時間は、この一瞬を支えようとするけれど、堪えきれずに崩れ去る。
残された光の粒子。暗闇と摩擦する色彩。無と有の境界線に張り付いた群青。
その粒子たちは、わたしを貫通し、わたしの奥にある、わたしというものを洗い流す。
街角は、午後六時。シャンパンゴールドの光線は、足早な人々の輪郭を、柔らかに映し出す。
街路樹の葉たちは仕事を終えて、雑踏のエチュードに耳を澄ます。
表情を変える構造物。山吹色の眩い反射。濃度を増す影。
存在を確かにしていた、その時間の確からしさが、微かに信じられなくなる。
失いかけた余白に、透明な色彩を取り戻す。
わたしのわたし自身に、微かな輪郭を纏わせる。
暗く透き通った、藍色のグラデーション。
一瞬に永遠が在り、永遠が一瞬に在る。
時間というものを、忘れさせる時間。
ふと足を止めた瞬間の、ブルーモーメンツ。
Written by Daigo Matsumoto